職種適任者の絞り込みを自動化?!ブリヂストンが構築した仕組みの全容
ブリヂストンは、社内ジョブマッチング制度で募集する職種の適任者の絞り込み作業を自動化する仕組みを構築し、試験運用を始めた。募集職種の要件と、事前登録した社員データを言語解析技術を使いて自動で照合し、適任者をリストアップする作業の効率を上げる。2023年までの本格運用を目指す。
ブリヂストンが構築した人材の絞り込み自動化システムは、独自開発のアルゴリズムを用いて、ジョブマッチング制度の募集職種と、社員が作成した経歴や能力のプロフィルデータを比較。同じ単語が含まれる割合などの情報から、合致度の高い順に候補者を挙げる。
社内のデータサイエンティストと、4月に新設した「人財マッチング企画推進部門」が連携してこのたび試用版を構築した。現在は利用範囲を限定して効果を検証中。今後は定量データの解析など他の技術も取り入れながら精度の向上を図る。
同社は20年7月にジョブマッチング制度を開始。これまで人事担当者が社員のプロフィルデータを読み込み、適任者をリストアップしていた。その作業には時間がかかり、人事担当者にかかる負担も大きかった。
21年3月までに約20職種のマッチングを図ったが、成立件数は3件にとどまった。精度高く効率的に適任者をリストアップできる仕組みが必要となっていた。
社内の人材を素早く適材適所に配置できる仕組みがあれば、新規事業の探索や事業化のスピードを上げられる。ブリヂストンは23年までの中期経営計画でタイヤ関連サービスやソフトロボティクスといった新事業の拡大を掲げており、関連組織を新たに編成する場合などでジョブマッチング制度を活用する方針。
日刊工業新聞2021年10月6日