タイヤ原材料の木を最適育成!ブリヂストンのビッグデータ活用が面白い
ブリヂストンは、ビッグデータ(大量データ)を活用し、高収量のゴム農園実現に貢献する「パラゴムノキ」の植林計画最適化システムを開発した。タイヤ原材料の天然ゴムはパラゴムノキから生産されている。30年以上先までの植林計画を最適化し、農園の単位面積あたりの収量向上・平準化を実現し、天然ゴムの持続可能な安定供給に貢献する。
情報・システム研究機構の統計数理研究所(統数研)の学術指導を経てシステムを開発した。ブリヂストンのゴム農園管理に関する知見に基づき、土壌や病害予防といった複雑な制約を数値モデル化した。収量や面積などパラゴムノキの農園から得られた膨大なデータに、施設の配置などを検討する際の問題解決手法として使われる混合整数計画法を適用した。
同システムの活用で「いつどの品種をどの程度の量でどこに」植林するのが最適なのかを把握できる。今後は実用面での課題抽出を経て、将来的には自社農園やほかの農園に展開を検討する。
パラゴムノキの産地は東南アジアに集中していることから、病害リスクや、栽培面積の拡大に伴う熱帯雨林の減少が課題となっていた。
日刊工業新聞2021年1月14日