ブリヂストン、ゴムの知見活用で“柔らかいロボット”事業に参入

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ブリヂストンはラバーアクチュエーターを使用するロボットアームやハンドのプロトタイプを開発

ブリヂストンは将来の主要事業に育成する事業の一つとして、ロボット事業に乗り出す。このほどラバーアクチュエーター(駆動装置)を使用するロボットアームとハンドのプロトタイプを開発した。軽量高出力で柔らかいモノから硬いモノまで、大小さまざまなモノをつかめる。顧客になりそうな企業にニーズをヒアリングし協業できそうな企業に提案して、反応を探る。少子高齢化や非接触ニーズを取り込み、将来の事業化を目指す。(鎌田正雄)

ラバーアクチュエーターは、ゴムチューブを繊維状のスリーブで覆い両端を金具で留めた構造のアクチュエーター。ブリヂストンの強みであるゴムの知見と高分子複合体技術を活用した。

ゴム素材のためロボットアームとして活用した場合、他のアクチュエーターと比べて圧倒的に軽く小型で高出力なのが特徴。ブリヂストンによると、1トンの力を出すのに必要な本体重量は、モーターやシリンダーを使ったアクチュエーターが約20キログラムに対し、ラバーアクチュエーターは400グラムと50分の1の軽さ。耐衝撃性にも優れる。

ラバーアクチュエーターを活用したロボットハンドは、柔軟性があるため既存の産業用ロボットハンドと比べて、モノをつかめる対象範囲が大きく正確な位置調整が不要といった特徴がある。一つのハンドでイチゴや鉄球など、柔らかいモノから硬いモノまで、さらに大小さまざまなモノをつかむことができ、さまざまな用途で利用できそうだ。

ブリヂストンは人と協働できる“柔らかいロボット”で、安心・安全に人やモノの移動や動きを支えるロボットビジネスを「ソフトロボティクス」と定義。7月に「ソフトロボティクス事業準備室」を立ち上げる。現在は各事業部からの兼務者が数十人で、すでに大企業やスタートアップ、大学などと活動を始めている。準備室の立ち上げ後は専任者を中心に活動する予定。

同事業の責任者で先端技術推進部門の音山哲一部門長は「共創活動を前提に進めている。すべて自前ではできないので、あらゆる組み合わせを考えている」と話す。2022年に本格的に開設するブリヂストン・イノベーション・パーク(東京都小平市)などを活用して、共創活動を加速していく。

ブリヂストンはタイヤ製品などの「コア事業」と、ソリューション事業を「成長事業」と位置付け、次の事業としてソフトロボティクス事業などの「探索事業」を育成する方針を示した。30年には探索事業を成長事業に格上げする目標を掲げる。ソフトロボティクス事業は、少子高齢化や非接触ニーズなど社会や顧客が抱えている課題に対し、同社の強みであるゴムや既存事業とのシナジーや経営資源を活用して事業化する考えだ。

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