三井住友海上が時限的な女性限定ポストを新設した狙い
三井住友海上火災保険は7月に女性副支店長と副部長の二つのポストを新設した。女性活躍推進の一環。部の業務を統括する「ライン部長」の補佐として責任と権限ある職務を経験することで、ライン部長の具体的なイメージを描きやすくする。多様な人材を尊重して一体となって働ける「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」経営で、組織力を強化する構えだ。
7月に計23人を新設した両ポストに登用した。本人の希望や要望を特に重視する「手挙げ制」ではなく、通常の人事異動の一環で辞令を出した。役職は課長職以上が中心で、異動前の業務と兼務することもあるという。
両ポストに就けるのは女性限定で、次期中期経営計画の最終年度となる2025年度までの時限的措置とする。26年度以降は性別に関係なく人材育成や組織力強化のポストとしての活用を検討している。
同社は23年4月までに課長代理職以上の女性比率30%超を目指している。研修やワークショップへの参加にとどまらず、実際に責任あるポストで実戦経験を積むことに重点を置く。
22年4月からは女性が多く転勤がない地域限定型の社員を対象に、赴任期間を限定して海外で勤務できる人事制度を新設する予定で、女性がより一層活躍できる土壌の醸成に向けた人事施策を講じている。
日刊工業新聞2021年7月9日