ニュースイッチ

日本電産が77億円投資。ブラジルなど4カ国で拠点を増強する狙い

日本電産は冷蔵庫向けの高効率のコンプレッサーや圧縮ユニットの生産を拡大するため、7000万ドル(約77億円)を投じてブラジルなど4カ国で拠点を増強する。2019年に米社から買収した「エンブラコ」ブランド製品の生産能力を年1000万台以上増強し、年産5500万台に引き上げる。新型コロナウイルスの感染拡大で、高効率の冷蔵庫などの需要が拡大しているという。

生産を拡大するのはグループ傘下のニデック・グローバル・アプライアンスコンプレッサー(ブラジル・ジョインビレ)。ブラジルのほか、メキシコ、オーストリア、中国の生産拠点で生産能力を拡大する。米家電大手ワールプール(ミシガン州)から買収したエンブラコ事業が家電の省エネ対応などで伸びていることに対応する。

ブラジルでは合計2700万ドルを投資。ジョインビレの拠点に生産ラインを追加し、コンプレッサーを年250万台増産する。同工場ではエンブラコブランドの基幹製品を手がけ、生産効率化にも着手。新ライン追加で最先端製品を拡充し、中南米市場で広がる需要に対応する。別の圧縮ユニット工場も生産能力を25%増やす。

メキシコでは3500万ドルの投資でラインを新設し、生産能力を6割増強。北米市場に供給する。オーストリアでは500万ドルを投じ、欧州市場向けの高効率コンプレッサー2機種のラインを整備し生産を始めた。中国・北京では300万ドルを投じて主に中国、日本、欧米向けに3機種の高効率製品を増産する。

オーストリアや中国で増産する可変速コンプレッサーはエネルギー効率が高く、特に家電の省エネ規制が厳しい国で需要が伸びている。コロナ禍による巣ごもり需要で、業務用冷蔵庫の需要も拡大しているという。

日刊工業新聞2021年7月6日

編集部のおすすめ