ロボットの皮膚として接近から接触までを捉える!福岡大が近接覚・触覚センサーを開発
福岡大学の辻聡史助教と小浜輝彦准教授らの研究グループは、ロボットの皮膚として接近から接触までを捉えられる近接覚・触覚センサー(写真=同大提供)を開発した。光学方式と静電容量方式の2方式で計測するため信頼性が高い。協働ロボットの安全対策向けに提案する。実用化のための協力企業を探していく。
赤外光の反射時間で相手との距離を測る光学方式と、静電容量の変化で相手の接近と接触を検出する静電容量方式を一つのセンサーに搭載した。静電容量方式はウレタンシートを2枚の電極で挟む。ヒトの手などが近づくと、表面側の電極と手の間でコンデンサーが形成されて容量が変化する。
ウレタンシートの中央に発光ダイオード(LED)と受光素子を配置して距離を測る。光学方式は汚れに弱いが距離を測れる。一方、静電容量方式は汚れに強く接近は分かるものの、距離が測れなかった。2方式を組み合わせることで信頼性を高めた。
30センチメートル離れた位置から距離を測定し、接触まで滑らかに測定できる。接触と限りなく近接した状態を分離できると、例えば作業者がロボットに意図せず近づいたのか、ロボットを触ったのか判別できる。
ダイレクトティーチングなどロボットを触りながら作業の動作を教える仕事がしやすい。協働ロボットの場合、人が近づいたら稼働速度を下げ、触れている状態では静止するなどの安全機能が求められていた。
日刊工業新聞2021年6月25日