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大和ハウスがサプライヤーに「森林破壊ゼロ」求める。未着手は調達禁止も

大和ハウス工業は2030年までに全サプライヤーに対して森林破壊ゼロなどの方針策定を求める。策定していないサプライヤーからの調達を原則禁止する。同社は住宅・建築物における木材調達で森林破壊の根絶を目指しており、新たな木材調達の方針をまとめ、サプライヤーへの要求を盛り込んだ。同社が木材を調達している合板メーカー、商社、設備メーカーなど国内の全サプライヤー約300社を対象とする。

サプライヤーに対して実施している木材調達調査の評価基準や調査範囲を見直した。

新方針では、森林が再生できないほどの自然林の皆伐が行われていないことや、20年以降の植林で生態系を大きく破壊する自然林の伐採が行われていた地域ではないこと、強制労働や児童労働による伐採ではないことを定めた。

調査範囲も拡大し、従来の下地面材やフロア材に、環境破壊が問題となっているラワン合板が多く使用されている型枠合板などを加え、木造家屋の約95%をカバーする。評価基準は森林破壊ゼロにのっとったものに見直す。例えばSランクと位置付ける再生木材についても、再生材に使用された木材のトレーサビリティー(履歴管理)の確保を求める。

大和ハウスはグループ全体で年間約29万立方メートルの木材を調達。55年までに全事業において森林破壊ゼロを掲げる。一企業にとどまらず、サプライチェーン(供給網)での取り組みを促すことで、社会全体の変革につなげる。

日刊工業新聞2021年6月15日

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