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生産能力30%向上!大和ハウスが溶接ロボット開発

生産能力30%向上!大和ハウスが溶接ロボット開発

外径550―900mmの角形鋼管柱を囲むようにスワンが両側から溶接する

大和ハウス工業は子会社のフジタ、十一屋工業(名古屋市)と共同で、施工現場における角形鋼管柱の溶接ロボットシステム「SWAN(スワン)」を開発した。システム導入で溶接現場の生産能力が約30%向上する。まず大和ハウス工業とフジタが手がける物流施設や中高層ビルなどの施工現場に導入する。溶接する全柱数のうち約80%をロボットに移管する予定だ。人手不足や熟練技能者の高齢化に対応。2022年度の本格運用開始を目指す。

溶接ロボットはダイヘンの軽量小型6軸多関節型ロボットアームを採用し、一つの柱に対して溶接ロボットを2台使用。人的作業では、1カ所の溶接に半日から1日を要するが、スワンは約半分にできる。柱の外径が550ミリ―900ミリメートル、板厚40ミリメートル以下の鋼管柱を溶接する。

高圧電流を放電させるアーク溶接は、非常に高温の作業現場での重労働な上に、高い技術が必要で「職人になるまでには10年かかる」(十一屋工業溶接工事部の二村倫也部長)という。技能者の減少や高齢化に伴い技術の継承が課題となる中で、溶接ロボットの導入に至った。

十一屋工業は鉄骨や橋梁の製作、補修工事などを手がけ、溶接の技術と知見が豊富。今回のプロジェクトでは、職人の溶接技術をロボットに移管するため、電流や電圧の強さ、溶接スピードなど細かい調整を担当した。今後の開発課題として2階への持ち運びや鋼管柱以外のボックス柱にも採用できないか試行を重ねる。大和ハウス工業は将来的にスワンのシステムを、溶接作業を手がける他企業にも販売する予定。

日刊工業新聞2021年5月21日

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