大和ハウスや積水ハウスなどが短工期住宅の供給を拡大する英国の事情

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モジュラー建設事例

日本の大手住宅メーカーが英国での事業を拡大する。英国は慢性的な住宅不足で、短い工期で高品質の住宅を大量供給できる日本のモジュラー建築が注目される。大和ハウス工業は子会社を通じて英国に建築部材の工場を新設する方向でウェールズ政府と交渉に入った。積水ハウスが出資する英国法人のアーバンスプラッシュハウスホールディングス(HD)は、年間約1000戸の住宅供給を目指す。

英国ではモジュラー住宅促進に向けた600億円規模のプロジェクトが進行中。その一環でウェールズのコエドダーシー地区で進む住宅開発プロジェクトに大和ハウスのオランダ子会社ヤンスネルグループが参画する。オランダの工場で鉄骨ユニットを製造し、今秋から供給を始める。

事業拡大のため2020年末にウェールズに事業所を開設したのに続き、現地工場の建設を見据える。ヤンスネルのハリー・ファン・ザンドワイク最高経営責任者(CEO)によるとウェールズ政府が同社の技術に興味を示しているという。

ヤンスネルは現在、鉄骨ユニットをオランダで生産し英国、ドイツ、ベルギーに供給する。21年12月期売上高は前期比約25%増の約2億ユーロを見込む。約90%をオランダが占める。英国では21年12月期に同約2倍の約300万ユーロを計画する。

積水ハウスは19年から現地法人を通じてマンチェスターなどを中心とした主要都市で木造の集合住宅を建設・販売する。19年度に約100戸の住宅を開発し、約40戸を引き渡した。積水ハウスが得意とするゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)住宅の供給を加速するなど年間約1000戸の供給を目指す。

英国では住宅不足が社会問題で、政府目標の年30万戸の新規供給が未達成。同国の住宅事情に詳しい三井住友トラスト基礎研究所海外市場調査部の深井宏昭氏は「新築住宅は現地で一から施工する伝統的な建築方法が主流。ブレグジットによる移民政策に伴う職人不足も相まって供給量が減少し、住宅価格が高騰している」とみる。

日刊工業新聞2021年6月3日

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