蒸し暑い時期「スメハラ」に注意!?体臭の仕組みと対処法

おすすめ本の抜粋「トコトンやさしい化粧品の本 第2版」

  • 1
  • 2

体臭とデオドラント

天人五衰は天界にいる天人が長寿の末に迎える死の直前に現れる5つの兆しで、身体臭穢(しんたいしゅうわい:体が汚れて匂い出す)、腋下汗出(えきげかんしゅつ:脇の下から汗が流れ出る)があります。これが現れたときの苦悩は地獄の苦悩より強いといわれています。私たちの世界でも「スメハラ」という言葉があるほど体臭に対する意識が強まっています。体臭の元になるのは汗ですが、汗には全体に分布するエクリン腺から出るエクリン汗とわきの下や陰部などのアポクリン腺(臭気腺)から出るアポクリン汗があります。汗自体には強い匂いはありませんが、皮膚常在菌によって分解され臭くなります。腋臭はノナン酸やデカン酸のような低級脂肪酸、足臭はイソ吉草酸が原因と考えられています。

「加齢臭」という言葉は大変有名になりました。その正体がノネナールです。ミドル臭はジアセチル、若い女性からはγ -デカラクトンが出ているようです。それ以外にも食べ物によって体臭が変わりますし、病気特有の匂いもあるといわれています。糖尿病の人は甘い匂いがするとか、腸チフスの患者は焼きたてのパンの匂いがするとかいわれているのです。

体臭を消すには以下のような対策があります。

まず、発汗を抑制することが考えられます。パラフェノールスルホン酸亜鉛やアルミニウムクロロハイドレートなどの収斂剤(しゅうれんざい)が使われています。耐水性皮膜成分で足汗の出口に蓋をするという方法もあります。皮膚の常在菌の増殖を抑えるトリクロサン、塩化ベンザルコニウムなどの抗菌剤も使われています。パウダースプレーは粉体が入っていて、それが汗を吸いサラサラした感触を与えます。この粉に銀イオンの抗菌作用を利用した銀ゼオライトを用いると消臭効果が高くなることが報告されています。体臭の原因である低級脂肪酸に酸化亜鉛を加えると金属石鹸になって臭気がなくなります。弱い体臭であればオーデコロンなどでマスキングを行うこともできます。

(「今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい化粧品の本 第2版」p.146-147より一部抜粋)

書籍紹介

人気書籍の第2版が登場!シワなどに関する新しい技術、全成分表示や部外品の申請などの実用的な内容、安全性や環境問題、さらには幹細胞、アレルギーや抗酸化の生体メカニズムなどの新たな項目を追加し、皮膚の機能・構造、化粧品の種類や作り方などの基本を解説する。


書名:今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい化粧品の本 第2版
著者名:福井 寛
判型:A5判
総頁数:160頁
税込み価格:1,650円

執筆者


福井 寛(ふくい ひろし)
福井技術士事務所代表
1974年 広島大学大学院工学研究科修士課程修了。
同年 (株)資生堂入社、工場、製品化研究、基礎研究〈粉体表面処理〉などの研究に従事。香料開発室長、メーキャップ研究開発センター長、素材・薬剤研究開発センター長、特許部長、フロンティアサイエンス事業部長、資生堂医理化テクノロジー(株)社長、東北大学客員教授、東京理科大学客員教授、信州大学客員教授、大同大学客員教授などを歴任。現在に至る。
工学博士、技術士(化学部門)、日本化学会フェロー、日本技術士会理事、学術振興会先端・ナノデバイス・材料テクノロジー第151委員会顧問、千葉工業大学非常勤講師。
主な著書

「トコトンやさしい染料・顔料の本」日刊工業新聞社(共著)、 「きちんと知りたい粒子表面と分散技術」日刊工業新聞社(共著)、「トコトンやさしい界面活性剤の本」日刊工業新聞社(共著)など

販売サイト


Amazon
Rakutenブックス
日刊工業新聞ブックストア

目次(一部抜粋)


第1章 化粧品って何だろう

化粧品とは何だろう「化粧品の定義」/化粧品成分の考え方「消費者にとって大切な全成分表示」


第2章 外部から身を守る仕組み

最前線にいる皮膚「皮膚の構造」/注目の的・幹細胞「分裂能力のある分化していない細胞」


第3章 化粧品は何でできている?

化粧品の原料はどんなもの?「化粧品を構成している物質」/泡の秘密「泡の性質と利用」


第4章 化粧品の作り方とその性質

化粧品が世にでるまで「化粧品の特性を踏まえて中味、外装を決める」/汚れの落とし方「洗浄の機構とメーク落とし」


第5章 化粧品の安定性、安全性と環境対応

化粧品成分を実際に調べるには「化粧品に使われる成分の分離方法」/化粧品成分の構造を決めよう「化粧品成分の構造解析」


第6章 機能性化粧品とその将来

シワを改善する技術「シワ、たるみの発生、評価法と老化防止」/毛穴が目立つのはなぜ?「毛穴ケアとケミカルピーリング」

キーワード
おすすめ本の紹介

関連する記事はこちら

特集