「有機農業」普及拡大へ。井関農機がロボット活用で一手

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有機米デザインが開発中の自動抑草ロボット

井関農機と有機米デザイン(東京都小金井市、山中大介社長)は、有機農業の普及発展に向け、稲作用自動抑草ロボットの開発・販売で業務提携した。水田実証実験や性能評価、早期販売に向けたマーケティング、農家への指導を行う。2023年度内の発売を目指す。農林水産省は有機農業が農地に占める比率を50年までに25%(現在は1%未満)に高める目標を掲げている。国の政策支援もにらみつつ、全国で有機農業の普及拡大につなげる。

自動抑草ロボットは有機農業で利用されるアイガモにヒントを得た。アイガモは水田内を泳ぎ回り、後ろ足で泥をかき上げることでイヌビエやカヤツリグサといった害草の繁殖を抑制する。同ロボットは水田内を自動走行し、水中を撹拌(かくはん)して泥を巻き上げることで害草が生えにくい状態をつくる。除草作業にかかる負担を大幅に削減し、有機米のコストダウンにつなげる。有機米デザインが同ロボットを開発し、井関農機は実証実験を通じて、国内有機農業向けのスマートオーガニックシステム構築を目指す。

有機米デザインは東京農工大学発ベンチャーで19年に設立。井関農機は3月に、先端技術を活用した農業と有機農業の推進で千葉県木更津市と連携協定を結んでおり、今回はそれに続く第2弾となる。

農薬や化学肥料の使用を減らし、安心・安全の面からも消費者の期待が高い有機農業だが、農家にとっては高い生産コストが壁だ。

中でも負担が大きいとされるのが水田除草と水管理作業で、除草の場合は除草剤を使う慣行農業に比べ、労働時間が6倍以上かかる試算もある。

日刊工業新聞2021年6月11日

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