アサヒがモデル構築へ、スマート「ビール工場」の将来像

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ビールの製造は仕込みや発酵など工程上細かな管理が必要(アサヒビールの茨城工場)

アサヒグループホールディングス(GHD)はスマートファクトリーのモデル工場を2―3年内に設ける。国内8カ所のビール工場のいずれかに、人工知能(AI)やセンシング、IoT(モノのインターネット)などの技術を取り入れ、自動化や遠隔監視などの機能を集約した工場を設置。遠隔監視については2021年下期から8工場で検証に着手する。部分的な技術の試行を進めながら、工場の無人化や複数工場の集中管理が可能なスマートファクトリーの実現を目指す。

ビールの製造は仕込みや発酵など工程上細かな管理が必要なほか、機材や設備の保守や点検も熟練した技術や知識が欠かせない。こうした生産ラインにAIやIoTなどの技術を取り入れ、自動化や遠隔監視、無人化を促進する。まず機器や設備を集約したモデル工場を設置する。将来的には全工場をスマートファクトリー化し、少人数でも安全、安定的な生産ができるようにし、社員の柔軟な働き方の実現につなげる。

スマートファクトリーの機能の一つとなる遠隔監視は、豪州の子会社で導入している技術の国内展開を加速。豪州では在宅で生産工程や製造設備を管理しており、この手法を国内にも導入するため、21年下期から技術検証を始める。国内8工場で使用する水や電気などの監視、操作業務をリモート化するため、通信速度や操作性、制御の安全性などを検証。23年から運用し、25年上期には本格運用を目指す。将来的には一つの拠点から複数工場を集中監視する体制の構築を目指している。

このほか、スマートファクトリー化に必要な技術や設備は、20年に設置したバリュークリエーション室を中心に仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などをいかに導入できるか、検討を進めている。

アサヒGHDは新型コロナウイルス感染拡大で働き方改革が進み、工場のスマートファクトリー化の必要性が増す中、技術の検討や試行を加速する。

日刊工業新聞2021年6月1日

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