業務用が大きく落ちたビール・飲料大手4社、業績回復はやっぱりコロナ次第?

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居酒屋での飲み会もめっきり減り…

ビール・飲料大手4社は2021年12月期連結業績予想(国際会計基準)で全社が増収を見込む。20年は新型コロナウイルスの感染拡大による飲食店への時短営業要請などで業務用のビール類の販売が低迷。サッポロホールディングス(HD)は22年ぶりの最終赤字となった。21年はワクチンの普及などによる感染収束を見込み、各社が業績回復を予想する。

20年12月期のビール類の販売数量は、業務用を中心に大きく落ち込み、各社の収益を圧迫した。21年12月期はワクチンの普及などによる新型コロナウイルスの感染収束を見込む。サントリーHDの新浪剛史社長は「4―6月期に少しずつ良くなり、7―9月期に累積需要が出てくる。海外の方が立ち上がりが早いが、国内の方が累積需要のレベルが高い」と予測する。

一方でアサヒグループホールディングス(GHD)の小路明善社長は「20年は業務用が4割減少したが、21年も1割程度の増加にとどまるとみている」と述べ、業務用の回復には時間がかかるという見方を示す。

業務用がコロナ感染拡大前の19年12月期の水準に戻るまでには、時間を要するという見方が高まる中、各社は家庭用の商品強化を図る。キリンHDは21年にクラフトビールの缶商品の展開を始める方針を明らかにした。同社の磯崎功典社長は「外で飲めない中で、クラフトビールを家で手軽に飲めるニーズに応えたい」とした。

サッポロHDは22期ぶりの最終赤字の要因となった飲食店「サッポロライオン」の閉店など構造改革を進めるほか、酒類事業では家庭用の商品を中心に強化を図り、黒字転換を計画する。

各社、新型コロナウイルスの収束を前提に業績回復を見込んでいるものの、今後の感染動向がどのように推移するかは不透明だ。サントリーHDの新浪社長は「計画は目標というイメージ。コントロールできないことがある」と苦悩をにじませる。良くも悪くもビール大手の業績は、業務用がどの程度戻ってくるかにかかっている。

日刊工業新聞2021年2月17日

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