帝人の炭素繊維中間材料、次世代エンジン開発プロジェクトに採用
帝人は、炭素繊維「テナックス」を用いた中間材料(プリプレグ)が、日機装の開発する航空機向け次世代エンジン用ナセルの部材に採用された。ナセルは航空機の燃料や搭載機器を保持する筐体(きょうたい)。欧エアバスが進める低燃費や低騒音につながる次世代エンジン開発プロジェクトに日機装の部材採用が決まっている。2021年末までに試作品がエアバスに納入されるという。
クレイドルと呼ばれるナセルの一部品に、帝人が独自開発した航空機用の高性能速硬化エポキシ樹脂使用のプリプレグが使われる。一般的な航空機向けプリプレグに比べて低温度かつ短時間に成形できる特徴を持つ。
また、航空機用途で広く使われるオートクレーブ成形だけでなく、大量生産に適するプレス成形にも対応しており、オートクレーブ成形と同等の品質を実現した。
また、3次元曲線な複雑形状でも成形できる。こうした生産性やコスト効率の優位性から採用に至った。
日刊工業新聞2021年6月2日