触覚を疑似体験できるスーツ、帝人と慶大が開発
ゲームや教育、介護分野などの利用見込む
帝人と慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科は2次元通信システムを応用したハプティクス(触覚)スーツを開発した。導電繊維と絶縁繊維で構成した布を用い、給電や通信ができる。振動子を取り付け、複合現実(MR)型ヘッドマウントディスプレーの映像や音声に合わせて振動させることで、外部からの接触を疑似体験するといった活用を見込む。
配線方式と比べて柔軟性や耐久性が高く、体形に合わせることが可能。ゲームや教育、介護分野などでの用途開発を進め、数年以内の実用化を目指す。
帝人は電波を面で制御する2次元通信技術を用いた、RFID(無線識別)物品管理システム「レコピック」を展開する。南山大学との共同研究で、衣服に利用できるようにした。
慶大は2015年に米エンハンス・エクスペリエンス(カリフォルニア州)と共同で、全身触覚スーツを開発した。帝人の研究開発と組み合わせて、装着が容易な触覚スーツを実現した。
日刊工業新聞2019年11月19日