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収入が不安定で栽培を諦める農家を助けた石井食品。SDGsにも貢献

千葉・白子産タマネギ、ハンバーグに
収入が不安定で栽培を諦める農家を助けた石井食品。SDGsにも貢献

石井食品がタマネギを商品にしてくれたことを「ありがたい」と語る大矢組合長

千葉県白子町は5月中、家族連れが農家の畑で収穫を楽しむ「玉ねぎ狩り」でにぎわった。今年は中止となったが、毎年「玉ねぎ祭り」も開催されるなど、タマネギは特産品になっている。しかし、出荷組合の大矢忠一組合長は「原価の保証がないと農家が続かない」と嘆く。需給で価格が変動するため収入が不安定で、栽培を諦める農家も多い。組合員は1996年の半分の104人に減った。

そこに手を差し伸べたのが石井食品だ。同社は17年、白子町のタマネギを材料に使ったハンバーグの加工食品を商品化した。白子産タマネギの柔らかさや甘さが好評で、当初3万個だった販売数は20年には10倍近い29万個に拡大した。同社は決まった価格でタマネギを購入するので「ありがたい。継続して取引できる」(大矢組合長)と話す。商品パッケージには「白子町」を前面に出しており、白子産タマネギを全国にPRする効果もある。

持続可能な開発目標(SDGs)には「地方の産品を販売促進」「都市部と農村部間の良好なつながりを支援」という目標もある。石井食品は商品づくりで産地に貢献し、SDGsに通じる。他社も地方の産品の購入や商品化でSDGsに取り組めそうだ。

日刊工業新聞2021年5月28日

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