旭化成が2050年に温室ガスゼロへ。CO2活用技術の実用化に挑む
旭化成は、2050年にカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指すと発表した。30年目標は、温室効果ガス排出量を13年度比30%以上の削減とした。小堀秀毅社長はオンライン会見で、「将来世代に背負わせるのではなく、現役世代が中長期視点で考え、やれることをやるべきだ」と言及。カーボンニュートラル社会実現へ、政府や大学、他社と連携し、挑戦することの重要性を強調した。
具体的には、エネルギーの脱炭素化や製造プロセス革新、事業ポートフォリオ転換に取り組む。30年目標は、温室効果ガス排出量の多い素材部門の担当者を含めて議論し、実現性のある数値を設定した。自社目標とは別に、製品や技術を通じて社会の温室効果ガス排出量削減に貢献する。特に水素製造技術や二酸化炭素(CO2)の吸着・活用技術は「世界で(事業拡大の)可能性がある。いかに市場へ早く入るかが重要だ」(小堀社長)とした。
また事業ポートフォリオ転換に向けて、マテリアル領域の汎用製品を中心に15事業を戦略再構築事業に設定した。22年度からの次期中期経営計画で戦略を具体化する。ヘルスケア領域は25年度目標の売上高6000億円へ順調に進んでおり、住宅領域は海外で事業を拡大する。
【連載】DXで変わる旭化成
日刊工業新聞2021年5月26日