旭化成がリチウムイオン電池用セパレーター増産、EV需要拡大に対応

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宮崎県日向市の日向工場

旭化成は15日、日向工場(宮崎県日向市)に約300億円を投じ、リチウムイオン電池用湿式セパレーター「ハイポア」の生産能力を年3億5000万平方メートル引き上げると発表した。2023年度上期に商業運転を開始する。同社の湿式セパレーターの生産能力は同13億5000万平方メートルとなる。電気自動車(EV)など向けの需要拡大に対応する。

湿式セパレーターは日向工場と守山製造所(滋賀県守山市)に生産拠点があり、EV用車載電池などに使われている。21年度上期に守山製造所の生産能力を同3億平方メートル引き上げる計画で、これに続き日向工場での増産を決めた。今後も需要の伸びに合わせて積極的に増産する方針。生産性向上や生産時の溶媒排出を減らす環境技術導入などで、競争力強化にも取り組む。

旭化成はエネルギー貯蔵装置(ESS)やハイブリッド車(HV)向けの乾式セパレーターも展開。湿式と乾式を合計した生産能力は同19億平方メートルとなる。

世界自動車大手はEVおよび電動車の販売を大幅に拡大する計画で、電池材料メーカーは増産による供給対応を急ぐ。電解液大手の三菱ケミカルは米欧中で電解液を増産する。住友化学はEV向け耐熱セパレーターを韓国で増産するほか、正極材へ参入する。住友金属鉱山は正極材、東レはセパレーターの生産を拡大する。

電池材料市場で中国メーカーの存在感が増す中、日本勢は高付加価値用途に対応する技術力が事業拡大のカギとなる。


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日刊工業新聞2021年3月16日

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