三井化学・旭化成・住友化学...化学大手が「5G」や「半導体」向け材料開発を加速

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三井化学の高耐熱環状オレフィンコポリマーを使ったフィルム

化学各社は、第5世代通信(5G)や半導体向け材料の開発・拡充を加速している。三井化学は新たにオレフィン系の低誘電材料を高周波基板向けに提案する。旭化成は5G分野で全社プロジェクトを発足した。住友化学はM&A(合併・買収)を活用して半導体材料の製品群拡充を図る。5Gなどの次世代通信技術は発展途上で、技術革新を支える新素材が求められる。

三井化学が提案する高耐熱環状オレフィンコポリマー「ギガフレク」は、周波数10ギガヘルツ(ギガは10憶)で誘電率2・3、誘電正接0・0013の低誘電特性を持ち、5Gなど高周波帯域での伝送損失を抑えられる。架橋構造により、300度C以上で剛性の保持を実現した。5Gアンテナ用基板や絶縁フィルム材料として提案する。「オレフィン系は元々優れた低誘電特性を持つ。新材料は耐熱性の課題を克服した」(同社担当者)。先行する液晶ポリマー(LCP)などの対抗馬に名乗りを上げる。5G対応端末などは販売が始まったばかりで、性能向上が続くため新素材にも商機がある。

旭化成は5Gに関連する電子材料や半導体などの事業横断プロジェクトで、互いの情報を共有し、事業拡大のチャンスを探る。

住友化学の岩田圭一社長は「半導体材料は過去の集中と選択で製品群が細ったことが課題で、M&Aの活用も視野に入れ増やしていきたい」と話す。世界シェアの高いフォトレジストやプロセスケミカルの周辺で製品群拡充を図る。


また、コロナ禍で投資を抑える企業が多い中、三菱ガス化学は21年度からの中期経営計画で現中計の2000億円を上回る投資を行う。その中で、半導体洗浄などに使うEL薬品や半導体パッケージ基板材料の生産能力を増強する。「今投資が止まると成長が止まる」(藤井政志社長)と指摘する。

今後、5G通信の本命であるミリ波帯利用の本格化や6Gを見据え、各社は材料開発や生産拡大を推進する。


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日刊工業新聞2021年1月27日

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