アパレル分野のDX人材輩出へ。オンワードが産学連携に乗り出した

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初回講義での西森オンワードデジタルラボ副社長

オンワードホールディングス(HD)が、産学連携によるデジタル変革(DX)人材の育成に乗り出した。国際ファッション専門職大学の単位認定事業を4月に開講。インターンシップ(就業体験)などで協力し、アパレル分野で活躍するDX人材の輩出を後押しする。業種を問わずDX化が加速する中、デジタルの思考を持ち、アパレル業界の未来を切り開く人づくりに力を注ぐ。(編集委員・大友裕登)

学生と交流、社員に刺激

「無限大の可能性を感じている」。グループのデジタル戦略を担うオンワードデジタルラボ(東京都港区)の西森浩文副社長は、今回のプロジェクトへの期待をこう示す。

プロジェクトは課題解決型授業とインターンシップの2部構成。4―7月までの課題解決型授業では、オンワードHDのデジタル戦略における実際の課題について、学生がチームを組んで企画提案を行い、プレゼンテーションにより優秀チームを表彰する。さらに10月から2022年1月まで、同社グループのデジタル戦略部門でインターンシップを実施する。

これまで行ってきたインターンシップは、デザイナーなどアパレルならではの分野が主体。デジタルという切り口でのインターンシップの経験はないものの、不安よりも期待の方が大きい。西森副社長は「学生は想像していないサービス、コミュニティーを体験済みだったりする。我々も知りたい」と話す。固定観念を持たない学生との交流が、社員にとっての“学びの場”になり、いい刺激になるとみている。

現状、同プロジェクトは複数年で行われる予定。今後について、連携先の拡大にも意欲的だ。「業種、法人、学校を問わず、いろんな取り組みを広げていきたいと考えている。ただ、それにはノウハウ、ハウツーの蓄積が必要」(西森副社長)と指摘。「まずは、今回の取り組みをしっかり成功させる」(同)と力を込める。

コロナ禍で、物品の購入形態は様変わりした。購入者のライフスタイルの変化に伴いデジタル化が進み、店頭中心だったアパレルは、その急速な変化への対応を迫られている。DX人材の育成は急務といえる。産学連携による人材育成はスタートしたばかりの取り組みだが、真正面からその課題に向き合い、克服に挑んでいく。

日刊工業新聞2021年5月20日

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