JFEスチールが「DX人材」350人目指す、その育成方法とは?
JFEスチールは、デジタル変革(DX)を主導する専門人材「データサイエンティスト(DS)」の育成を本格化する。11月から、東京の本社DX推進拠点(JDXC)で研修などを数カ月間集中的に行う。全国の高炉稼働状況などを一元的に見ながら、製造現場の実課題を取り上げ、専門人材としての素養を身に付けさせる。DSは、2020年度中に新たに約80人育成、累計350人程度にする考えだ。
DS教育は受講者1人ずつ、講師がマンツーマンで行う。従来も育成教育をしてきたが、7月のJDXC開設で、より具体的に「問題意識を高められる」(風間彰常務執行役員)と期待する。
育成するDSは、データ収集やアルゴリズム開発が自力でできる「DS先駆者」、ITツールで課題解決にあたる「DS伝道者」の2タイプ。20年度中には累計で先駆者を約100人、伝道者を約250人に拡大させる。
JDXCは高炉の遠隔監視のほか、生産性や操業上の問題を解決するため各種データを統合的に活用可能。品質管理の手法、設備トラブルの予兆管理などのデータを社内クラウドに共有している。
JFEスチールはDX化が急務となっており、「鉄鋼のプロセスを知り、かつITに強いインテグレーターを自前で育てていく」(風間常務執行役員)としている。