腕上げ作業の負担を軽減するアシストスーツ、電力不要で低価格・軽量化
イノフィス(東京都新宿区、折原大吾社長)は、腕上げ作業の負担を軽減するアシストスーツ「マッスルスーツGS―ARM(アーム)」を発売したと発表した。ネクスコ東日本エンジニアリング(東京都荒川区)との共同開発で、アクチュエーター(駆動装置)の部分に人工筋肉に代わってガススプリングを使用。電力不要の長所はそのままに、消費税込みで13万2000円の低価格と軽量化を実現した。初年度に2000台の販売を目指す。
腰痛負担軽減の「マッスルスーツエブリィ」に続くマッスルブランド商品として展開する。建築・土木分野の天井施工や資材取り付け作業といった上を向く作業のほか、トンネルの打音検査、自動車の生産ライン作業、ナシやブドウをはじめとする果樹系作物の花穂整形や袋がけ作業などでの利用を見込む。上下だけでなく左右方向や斜め方向にも可動域を広げ、腰に付けた道具の取り出しや、片腕だけを上げる作業にも使えるようにした。筋力の少ない高齢技術者や女性技術者の場合、腕を長時間上げ続ける作業が負担になっており、新商品の装着でこの負担を軽減する。
イノフィスは2019年11月にマッスルスーツのエブリィを発売。量産効果でそれまで50万円前後だった価格を約3分の1に引き下げ、20年12月時点で累計出荷が1万6000台を超えるなど多くのシェアを獲得した。新商品でさらに上乗せを目指す。
日刊工業新聞2021年5月18日