近畿圏の事業会社で初事例。商工中金が草津電機のBCP対策に10億円の融資枠
草津電機(滋賀県草津市、高田豊郎社長)は、事業継続計画(BCP)対策を進めるため、商工中金大津支店と災害対応型コミットメントラインとして10億円の融資契約を結んだ。近畿圏の事業会社に対するBCP対策の融資枠設定は初の事例で、全国で4社目。加えてグループ会社や取引先のBCP策定も進め、災害時の対応力を高める。
災害対応型コミットメントラインは震災など異常事態発生時でも融資枠の範囲内で迅速に資金調達できる。契約期間は2026年4月まで。草津電機が東日本大震災を機にグループのBCP対策を進めていた中で商工中金との契約に至った。草津電機は自然災害発生時に従業員の安全確保と工場に被害があった場合に早期再稼働するための内容を盛り込んだBCPをこのほど策定。本社を含め全国に8カ所ある拠点は築50年前後の工場や事務所が多く、全ての拠点で新耐震基準に合わせた建て替えや補強工事を順次進めている。
グループ全体で供給責任を果たすため草津電機の高田社長が理事長を務める滋賀県電化工業協同組合(滋賀県草津市)の加盟社でもBCP策定を進める。同組合は同社グループ企業や取引先企業12社で構成。中小企業基盤整備機構が支援し同組合向けにBCP策定に関するセミナーやワークショップも実施した。
草津電機は産業用や家電用の小型モーターやポンプを製造販売する。近年はコア技術を応用できる医療・健康分野での自社製品開発にも注力している。
日刊工業新聞2021年5月7日