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コロナ長期化に備え、コミットメントライン契約企業が5倍に

新型コロナウイルス感染症問題が長期化する中、金融機関とコミットメントライン契約を結ぶ企業が増えている。帝国データバンク(TDB)によると、1―7月に同契約を結んだ上場企業は136社で、前年同期比約5・2倍増。合計金額は約1兆7933億円で、約6・7倍に増えた。新型コロナ感染拡大の影響に備えた契約が多数を占め、製造業も目立つ。

コミットメントラインを結んだ企業は、1年間などあらかじめ設定した期間中に、融資枠内なら審査なしで融資を受けられる。金利とは別に手数料がかかるが、スムーズに資金を調達できる。

TDBは1―7月に結んだ136社のうち84社が新型コロナの影響によるものと明記したと確認した。感染拡大で事業環境が変化し財務基盤安定化を目的とする企業が多かった。業種別では、サービス業が34社で最多。持ち株会社31社など「その他」が33社、製造業が28社で続いた。金額ベースでは、その他が6214億円で最大。製造業が4807億円、サービス業が3603億円と続いた。

TDBはコロナ禍の長期化への備えとして、「コミットメントライン契約などの機動的、安定的な資金調達手段を確保する動きは続く」と見込む。

日刊工業新聞2020年8月31日

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