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再エネ調達の「世界地図」作成、コニカミノルタ・パナソニックなど異業種36社連携

コニカミノルタやパナソニックなどの異業種36社による連携組織は2021年度、各社の海外での再生可能エネルギー調達の事例を蓄積した地図データを作成する。参加企業は進出した国・地域における情報を入手し、最適な方法で再生エネを調達できるようになる。温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「脱炭素」が潮流となり、企業に大きな環境課題となっている再生エネ導入を異業種連携で解決する。

コニカミノルタは20年、パナソニックやアズビルなど16社と連携組織「環境デジタルプラットフォーム」を設立。各社が独自に培ってきた知見を共有し、1社で対応に限界がある環境課題の解決策について議論してきた。

地図データは活動の具体的な成果となる。21年度夏には各社が再生エネ導入の実績を登録できるデジタル地図をつくる。

参加企業は国や地域を選ぶと「再生エネを使ったとみなせる証書の購入が可能」「安定供給してくれる事業者がいる」などの情報が分かる。事例を随時追加し、コストも含めて最適な方法で再生エネを選べるようにする。

同じように、海外での廃棄物処理の情報もデジタル地図に蓄積する。現地のリサイクル業者の情報があれば、他社もその業者に処理を依頼し、資源に再生してもらえる。廃棄物ゼロを目指すサーキュラーエコノミー(循環経済)への転換も企業の課題となっている。

プラットフォームにはデンソーやトヨタ紡織、カーボンフリーコンサルティング(横浜市中区)のほか、エネルギー企業や通信大手も参加する。環境対策における異業種連携のメリットが認識されており、21年度は50―60社への拡大を見込む。

日刊工業新聞2021年4月21日

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