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アンドロイドと人、表情変化時に皮膚全体の流れに大きな差異が!?阪大が発見

大阪大学大学院工学研究科の石原尚講師らは、人に似せたロボットのアンドロイドと人で表情を変えるときの皮膚全体の流れに大きな差異があると明らかにした。アンドロイドの表情に人が違和感を持つ要因とみられる。アンドロイドの設計改善に反映することで表情の違和感が低減し親しみやすさが高まると考えられる。人が違和感なく解釈しやすいアンドロイドの表情が実現すればアンドロイドの活用範囲が広がる。

2体のアンドロイドと3人の成人男性の顔の右半面に100以上の位置計測用マーカーを貼り付け、顔動作に伴うマーカーの3次元的な移動を計測し全体的な流れを比較した。

その結果、顔の上半分の皮膚の流れがアンドロイドは直線的なのに対し、人では曲線的だった。さらにアンドロイドでは動いた先の皮膚が隆起して流れの元が沈下したのに対し、人は逆に流れた先が沈下して元が隆起することも示唆された。

今後、アンドロイドの表情機構に曲線的な皮膚の流れや表面の隆起陥没の制御などを工夫すれば、効果的に感情を表現できるアンドロイドが期待できる。

日刊工業新聞2021年3月23日

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