自動車用合皮の廃棄物を利用して家具をリノベーション!大阪の中小企業の新ビジネス
加平(大阪府泉佐野市、田所茂和社長、072・464・5234)は、自動車用途で製造する合成皮革(合皮)の廃棄部分を活用し、家具のリノベーション事業に参入する。2021年度の事業化を目指す。持続可能な社会を実現するとともに、海外へのビジネス展開が狙い。今後インスタグラムやウェブ広告を通じて顧客を獲得する。
加平の事務所内に合皮を使ってバッグやスマートフォンケースを作るハンドメイドの工房を開設することを検討する。関西空港に近い立地を生かし、25年の大阪・関西万博開催時に多くのインバウンド(訪日外国人)を呼び寄せ、欧州やインドでのビジネス展開も見込んでいる。
現在、知人から依頼を受け、病院のリハビリベッドや美容院の椅子の張り替えを行ったところ「買い替えよりもコストを抑えられ、品質がよいことから非常に評判がよかった」(田所社長)と手応えをつかんでいる。5年後に約1000万円の売り上げを目指す。
同社は車両向け合皮の製造・販売が主力。売上高は約50億円(18年度)。品質管理を強化しており、製造工程を管理する新システムを導入。20年には管理部門を新設し、全製造数に占める良品比率を15年比で10%増の95%(21年1月時点)に改善した。ただ、顧客に見せるサンプルや品質の確認時に5%の廃棄分が発生するため、それらを新事業に活用する。
日刊工業新聞2020年3月22日