安永がトヨタと共同で燃料電池車用セルの電極接合シート・検査ユニット開発、速度は7倍!
安永はトヨタ自動車と共同で、燃料電池車(FCV)のFCスタックを構成するセルの電極接合シート(MEGA)を独自のアルゴリズムで画像を解析し、検査速度を7倍にする検査ユニットを開発した。これにより検査精度が向上し、歩留まり率を100%に近づけることに成功した。
電極接合シート内では、水素と酸素を反応させて発電する薄膜の壁で仕切られており、薄膜の端を接着することで水素や酸素などのガスを封止する。この接着部分の気泡の大きさや位置によっては発電不足などの不良品発生のリスクがあり、測定時間の長さや過剰判定による材料ロスが課題だった。今回開発したアルゴリズムの採用で気泡の形状や位置に影響されない検査手法を確立した。
安永は、今回の共同技術開発で2020年度のトヨタ自動車「技術開発賞」を受賞した。同賞は毎年度、トヨタ自動車の商品力向上に貢献したと認められる企業に授与される。安永の受賞は初めて。
日刊工業新聞2020年3月15日