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三井物産の新本社がスゴい!“キャンプ”で知的化学反応起こす

三井物産の新本社がスゴい!“キャンプ”で知的化学反応起こす

「キャンプ」を通じてコミュニケーションの活性化を目指す(イメージ)

AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、DX(デジタルトランスフォーメーション)といった技術革新に伴い、働き方が多様化してきた。三井物産は5月、本社を東京都千代田区大手町に移転する。単なる人の移動にとどまらず、時代の変化に柔軟に対応できるオフィス空間を構築し、柔軟な働き方の推進やコミュニケーションの活性化、新事業の創出に結びつけたい考えだ。

「商社がセグメントで分かれて仕事をする時代は終わった。新本社ではセグメントの垣根を取り払い、各フロアに“キャンプ”と称するスペースを設ける。部門横断的にしっかりと議論をしながら“知的化学反応”を起こしたい」―。安永竜夫社長は、新本社への期待をこう表現する。

三井物産は昨夏、新しい働き方を検討するWork―Xプロジェクト(ワークプレイス・エクスペリエンス・プロジェクト)として専門組織「Work―X室」を新設した。鈴木大山人事総務部Work―X室長は、「社内外のコラボレーションを促しながら、社員が新しい価値を生みだせる職場を準備する。最終的には社員が積極的に価値創造の現場に出て行くことが大事。移転を意識・行動変革のきっかけとしたい」と意欲を見せる。

例えば、新本社に勤める約4500人を対象に、組織ごとのグループアドレス(組織ごとのエリアを決めた中でのフリーアドレス制)を導入する。各部署が配置されるエリアはおおむね決まっているものの、仕事の目的や効率性に応じて各自が働く場所を選べるようにする。

配置も例えばエネルギー部門とインフラ・プロジェクト部門、モビリティ部門と鉄鋼製品部門など、連携が期待される組織を意識的に隣接するように工夫し、部門を超えての協業を目指す。

グループアドレスとして割り当てられた1フロア内の執務座席は社員数の7割程度にとどめる。一方、社員が社内外で協業するためのコミュニケーションエリア「キャンプ」のスペースを大きくとり、1フロアの全座席数の3割以上にする計画だ。

キャンプは、オープンな雰囲気で自由に意見交換をする「ソーシャル」、プロジェクト単位で小・中規模の議論をする「コワーク」、集中して仕事に取り組む「フォーカス」、デジタルトランスフォーメーションに取り組む「ディースペース」を設ける。

全執務フロアを貫く内階段を設置して人の往来も増やし、「各フロアに自然と人が集まり、部署間の人の出会いやコラボレーションのきっかけを生み出すように工夫」(鈴木室長)していく。あわせて固定電話も廃止し、各社員は携帯電話でのやりとりを中心にしていく方針。ペーパーレス化も進めるなど、業務プロセスの効率化も狙う。

移転後は継続的に利用状況をデータで把握しながら、新たな価値の創出に向けて取り組んでいく。

仕事の目的に合わせて働く場所を選べるようにする(イメージ)
(浅海宏規)
日刊工業新聞2020年3月11日

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