EMS大手のシークス、3年間で設備投資250億円の内訳
シークスは欧米や中国企業からの車載案件での需要増加に対応するため、2023年12月期までの3年間に約250億円の設備投資を実行する。中国やハンガリーなど複数の既存工場の空きスペースに生産ラインを増設。これにより、売上高に占める車載・産業機器の比率を現在の73%から23年12月期までに85%へ高める。
中国の湖北省と上海市、ハンガリー、メキシコ、インドネシア・西ジャワ州の各工場などで生産ラインを増設する。23年12月期までに生産能力を、中国・湖北省で現在の3倍以上、ハンガリーで同2倍、メキシコで同1・5倍へとそれぞれ高める計画だ。
シークスは電子機器製造受託サービス(EMS)大手。中国、東南アジア、東欧などに工場を持つ。現時点では9月完成予定のインドネシア工場の第2棟を除き、工場新設の予定はなく、既存工場でのライン増設を中心に生産能力を増強する。
シークスは23年12月期を最終年度とする新中期経営計画で、売上高を20年12月期比37・7%増の2500億円に、営業利益率を同1・8ポイント増の4・2%にそれぞれ引き上げる計画。そのけん引となるのが海外顧客で、非日系顧客比率を14%から25%に高めるなど顧客の裾野を広げる。
今後は他社と連携した新技術提案も加速。サカタインクスなどと木材や繊維素材に電子回路を実装する技術を検証し、21年末にウエアラブル機器向けで一部量産化する見通し。他社連携案件の売上高は23年12月までに50億円規模へ成長させる。
日刊工業新聞2021年3月12日