太平洋セメントがマンションの外壁診断で軽量ロボットを活用、作業時間を半減

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ロボットを使った外壁診断サービス(イメージ)

太平洋セメントは軽量なロボットを活用した外壁診断サービスを4月に本格的に始める。点検棒を使って音で異常を検知する「打診調査」にロボットを活用し、人手だけの作業に比べ1平方メートル当たりの作業時間を半減できる。建設会社などの同様のロボットの重さが20キロ―200キログラムに対し、3・4キログラムと軽い。気軽に使える点を売り物にマンションや公共施設の打診調査需要を開拓する。

開発したロボットは通常の丸状の打診棒よりも音が出やすいダイヤモンド技研(鹿児島市)製の多角形打診棒「コロリン転検棒」を使う。同打診棒を3本使い、羽根状に配置してモーターで回転して打診する。ロボットを屋上からワイヤでつり下げ、人が少しずつ上下左右に動かす。ロボットのサイズは縦45センチ×横28センチ×高さ16・5センチメートル。

他社製ロボットが画像撮影や分析機能などを付加しているのに対し、打診のみをロボットに置き換え、軽量化した。ロボットから出る打診音をWi―Fi(ワイファイ)などで地上の集音装置に送り、録音。人が録音を聞いて異常箇所を判断する。作業終了後にパソコン画面上に打診した壁を表示し、赤いドットなどで異常箇所を示して顧客に説明する。

サービス料金は外壁の状態により異なり個別見積もりとなるが、ゴンドラを使ったり、足場を組んだりして人が点検する場合に比べ割安に設定する。人手で高所を打診するのは危険を伴うが、「ロボットの活用で安全面で優位性がある」(江里口玲インキュベーション推進チームリーダー)としている。実際のサービスは、全額出資子会社で建設コンサルタント業の太平洋コンサルタント(千葉県佐倉市)が担う。

建築基準法では公共建築物や集合住宅などの特殊建築物は、10年に1度の全面打診調査が義務付けられているが、まだ十分に普及していない。人手による手間やコストが課題とみられ、ロボットの活用で同調査の市場への浸透を目指す。

日刊工業新聞2021年3月8日

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