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人の労働を代替する“ワークロイド”、普及促進組織が3月発足

働くロボット(ワークロイド)の普及をユーザーから考える会(高西淳夫世話人代表=早稲田大学理工学術院教授)が本格的に活動を開始する。「ワークロイド」という新たなジャンルの確立に向け、ロボットの単機能化や部品の共通化、オープンソースの活用などに関する枠組みを形成する。アカデミアとの連携にも重点を置き、ニーズの拾い上げや利用環境の整備などを通じて、ロボットの導入障壁の引き下げによる普及拡大を図る。

働くロボット(ワークロイド)の普及をユーザーから考える会は、コロナ禍で実施が遅れていた設立総会を3月12日にオンライン形式で開く。既にメーカーやユーザー、大学、自治体などから140人以上が参加意向を示している。まず勉強会を通じた共通認識形成や情報発信などを進め、具体的な開発プロジェクトを展開する。

同会は屋内外のさまざまな空間で人の労働を代替するロボットをワークロイドと定義。危険を伴う現場や重労働な環境などで導入可能なロボットの普及拡大に向けた活動を展開し、産業ロボットやコミュニケーションロボットと異なる領域の確立を進める。

多額の費用がかかるロボット開発の現状に対し、単機能化によるユニットを組み合わせてつくれる形を想定する。コントローラーやセンサーなどの部品も共通化し、オープンソースの活用で開発面での効率化を図る。

ロボット工学に限らず幅広い分野の技術を取り入れ、アカデミアとメーカーによる橋渡しの場としても展開する。共通ニーズの掘り起こしや共同開発を進めるコンソーシアムも形成し、価格面が制約条件となってロボットの導入が難しい中小企業や個人も利用可能な製品を送り出す。

日刊工業新聞2021年2月10日

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