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緊急事態宣言の出口戦略、万博開催...大阪・吉村知事を直撃

新型コロナウイルスの感染拡大により2度目の緊急事態宣言が発出され、社会経済に大きな痛手を負う大阪。出口戦略や経済復興への見通し、ポストコロナの長期戦略を大阪府の吉村洋文知事に聞いた。

―新年早々、緊急事態宣言が発出される事態となりました。
 「前回の宣言発出時に実は(感染拡大の)山を越えており、出すタイミングが遅かったのではないかと後の分析で指摘されている。宣言は社会経済への副作用が大きく簡単には出せないが、出すときには兆候を見逃さず早期に判断すべきだと考えていた。そのため今回は感染者が急増し2日目に要請を決めた」

―出口戦略や今後の見通しは。
 「出口の見える化は重要だ。国で目指す基準値の『ステージ4以下』、大阪ではコンスタントに(新規陽性者数が)300人以下になれば今ほど医療は逼迫(ひっぱく)しない。宣言を解除する一定の基準はそこだ。この一冬を越えれば3月上旬からは医療従事者へのワクチン接種が始まる。府民へワクチンが行き渡り社会を止めずに済む状態を目指したい。経済もすぐに右肩上がりは難しいだろうが、確実に回復する」

―2020年末に新たな成長戦略を発表し「国際金融都市」を目指すと明記しました。
 「東京やニューヨークなど、世界上位の国際金融都市と比べると大阪の実力は低いが、ポテンシャルは高い。これまで難しい課題を実行してきた菅義偉首相の下であれば、税制改革を実行し、勝負の土俵に乗る土台ができるというのが今掲げる理由の一つだ。また府市一体で大阪の総力を発揮できることや、25年の大阪・関西万博へ向けイノベーションの機運が生み出されていることも追い風だ」

―課題や25年までの目標は。
 「民間の力が非常に重要となる。20年度中に関西の経済3団体や金融の専門家が入った推進組織を立ち上げ、重要な方針もそこで決めていく。金融分野に明るく情熱のある方に会長をお願いしたい。国際金融都市は一朝一夕にはできず、10年、20年単位になる。25年までは推進組織の構築や『国際金融特区』の設置など土台作りに力を注ぎたい」

―25年には大阪・関西万博が開かれます。
 「ライフサイエンスが強い大阪の強みに加え、世界の最新技術や考え方を詰め込み、身体的にも精神的にも豊かになれる“ワクワクする”万博を目指したい。テーマはくしくも『いのち輝く未来社会のデザイン』。コロナ禍で一層この万博の意義は高まったのではないか」

記者の目/バランスますます重要に

日々の新型コロナ対応に自治体が追われる中、大阪・関西万博が開幕する25年は着実に近づいている。24年の「うめきた2期」地域街開きや、27年目途のカジノを含む統合型リゾート(IR)開業など、大型事業もめじろ押しだ。目先の課題と将来を見据えた土台作りのバランスが今後、知事には一層問われそうだ。(大阪・大川藍)

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