実は大正12年創業のタニタ、原点の金属製「シガレットケース」から国内初の体組成計まで

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体重計や体組成計など歴代のタニタ製品と上迫館長

健康を“つくる”軌跡

東武東上線ときわ台駅から徒歩7分ほどの閑静な住宅地。体組成計などの計測機器でトップシェアを誇るタニタ(東京都板橋区、谷田千里社長、03・3968・2111)が運営する「タニタ博物館」がある。見学に訪れた修学旅行生から「体重計の会社だったんですね」と驚かれることもある。

タニタ博物館は2011年10月、本社ビルの改修に合わせて開館した。部屋の中心には家庭用体重計の初号機として1959年に発売した「ヘルスメーター」を展示。名称は健康的なイメージを持たせるための和製英語だが、現在の「健康総合企業」につながる象徴的な製品だ。

1959年に発売した家庭用体重計「ヘルスメーター」の初号機

タニタの創業は23年(大12)と古く、もともとは金属雑貨の製造や卸業などを営んでいた。金属供出があった第2次世界大戦中、初代社長は商品の一つだったたばこケースの金型を秘蔵していた。当時はたばこの包み紙の質が悪く、丈夫な金属ケースに入れるのが主流だった。戦後すぐに金属製「シガレットケース」を発売したところ、輸入品よりも品質が良いと大ヒット。いち早く再建を果たした。その後は金属加工や設計のノウハウを生かし、調理器具などOEM(相手先ブランド)生産を手がけた。この中に体重計があった。

内壁3面を使ったショーケースには、初代から現在まで社長3代の時代に投入された、それぞれの代表的な製品を展示する。体重計がズラリと並ぶのは2代目の時代。家庭向けとして国内で初めて発売した体組成計など、さまざまなコンセプトの製品が展示される。

3代目の谷田社長の時代になると、家電量販店で見かけるような体組成計のほか、同社の社内食堂が発祥で健康的な食事を提供する「タニタ食堂」のレシピ本やグッズなどであふれる。現在まで進めてきた「健康を“測る”だけでなく“つくる”」(上迫勝館長)をテーマに取り組んできた軌跡が分かる。

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため当面の間、見学休止。

【メモ】▽開館時間=水曜日の10時半―11時半、13時半―14時半▽休館日=祝日とタニタ休業日▽入館料=無料▽最寄り駅=東武東上線「ときわ台駅」、都営三田線「板橋本町駅」▽住所=東京都板橋区前野町1の14の2

日刊工業新聞2021年1月29日

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