タニタ食堂に続く新事業のヒントは「ガチャガチャ」にあり!?

タニタ・谷田千里社長「私の『書窓』教えます」

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タニタ社長・谷田千里氏
 前職のコンサルタント時代、上司から「地域経済の動きや特色をちゃんと見なさい」と教えてもらい、実践していた。スーパーマーケットの生鮮食品売り場で“キャベツ98円”といった物価も見ていたが、書店での本やゲームの品ぞろえなどは一層比較しやすかった。本のラインアップに地域色が出ているのも面白く、地方へ行った時に立ち寄ることもある。

 今年に読んだ中でお気に入りの一冊『最終決定版インチキ・ガチャガチャの真相―コスモス、その愛―』(ワッキー貝山ら著)は、事業のヒントがちりばめられている。

 同書は玩具メーカー「コスモス」の商品紹介と当時の社員対談の2部で構成している。私自身、事業を起こさなければならない立場であるため、新事業をどうやって掘り起こしたか事例が欲しいと思っている中で見つけた。

 子どもの頃、よく同社のカプセル玩具「ガチャガチャ」を購入した思い出も重なり、当時はどこでも見かけたビジネスの初期はどうだったのか漠然と気になっていた。

 同社のビジネスモデルは日本発だとこれまで思っていたが、コインを入れたら菓子が出てくる米国の機械をモデルに改良して始まったと知った時は衝撃を受けた。

 『情報楽園会社』(増田宗昭著)がビジネスの参考になっている。事業の成功・失敗例から知りたかったことが明確に記してあると感じた。

 現在、当社はタニタ食堂やタニタフィッツミーなどフランチャイズチェーン(FC)展開している。当初FCの加入・脱退がしやすい仕組みであることに何のメリットがあるのか、理解しきれていなかった。

 だが同書を読み進めるうちに、FCから送られてくる膨大な情報がデータベースとなり、売れ筋情報の分析といったFC側・オーナー側双方にメリットを生みだす効率的なシステムだと理解した時に思わず「なるほど!」とうなった。本から学ぶことは多い。

COMMENT

新規事業の立ち上げには柔軟な発想力が肝となる。幅広く本を読むことは自身の理解度や置かれている状況を俯瞰(ふかん)的に見つめ直すきっかけでもある。谷田社長は書店に足を運び「目的があって購入した本より、偶然出会った一冊の方が影響力が大きかった」という。思わぬヒントを得ることはビジネスを創出する原点なのかもしれない。 (日刊工業新聞東京支社・茂木朝日)

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