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検査時間6分の1に!三菱電機が金属の内部損傷を推定するAI開発

三菱電機は20日、東京工業大学と共同で金属表面のわずかな変形から内部の損傷を推定する人工知能(AI)を開発したと発表した。金属表面を撮影するだけで済み、発電機などの非破壊検査の時間を従来手法と比べて約6分の1に短縮できる。2023年以降に電力機器の予防保全の提案に盛り込む。

金属表面の変形と損傷の関係性を学んだAIは、変形情報から亀裂の位置と大きさを10%以内の誤差で推定できる。使用開始前の電力機器の金属表面に塗料で書いた模様をあらかじめ撮影し、その後の点検時に再度撮影して模様の変化から変形分布を計算する。その分布をAIで分析することで、内部の損傷具合を導き出せる。従来は表面にグリース(液状潤滑油)を塗り、超音波探傷器で計測して損傷状態を推定していた。正確な推定には熟練作業者の高度な技術が必要だった。

開発技術の概要(同社発表資料から)

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