アイシン精機社長、4月の統合に向け「危機感を持って結果出す」

伊勢清貴社長インタビュー

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―2021年の事業環境は。

「“曇り”ですめば良い。新型コロナウイルスはワクチンを含めて一刻も早い改善を祈る。各国が経済支援しているが、新型コロナで人の移動や購買意欲の低減が心配だ。コロナの収束には2年ほどかかると言われるが、構造改革は予定通り進める。半導体不足で当面の出荷が滞ることはないと確認している」

―4月にアイシン・エィ・ダブリュ(AW)との統合会社「アイシン」が始動します。

「合併は目的ではなく手段だ。次の50年を生き残り成長するには必要だと訴えてきた。役員の数も両社のバランスや実力も見ながら反映した。部署によってはパワートレーン部門の部長級で人事交流するなど体制構築を進めてきた。良い意味での危機感を持ち、交流を図って一つになれる。良い結果を出せると信じている」

―電動化対応は。

「バッテリーの課題などを考えるとハイブリッド車(HV)が先行し、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)に順次変わる。世界的に取り組んでいるのは二酸化炭素(CO2)を減らすことだ。電動ポンプや電動ブレーキなど、電動駆動モジュール『イーアクスル』などの周りの部品も伸ばしたい」

―デジタル変革(DX)を推進する「DX戦略センター」を新設します。

「社長直轄の組織にし力を入れる。企画から設計、製造工程まで全てデジタルでやれるのが理想だ。モノによる試作をできるだけ減らすなど仕事のやり方が変わる。工場の現場を確認する作業もデジタル化で、極端に言えば家でできるようになる。(コネクテッドサービスなどを扱う)CSSカンパニーではデータから新たなビジネスも生み出せる」

―働き方の質を高める「働きがい改革」に力を入れています。

「結果として残業ゼロで間接部門の生産性を上げたい。仕事にやりがいがあり、空いた時間で人生を豊かにできれば仕事での良い知恵につながる。アイシン精機でまず始めた。アイシンAWなどにも広げており、グループ全体に展開したい」

【記者の目/次なる成長へ、先鞭を】

100年に1度の大変革やコロナ禍といった大きな環境の変化が続く中で、統合新会社アイシンの船出の年を迎えた。幅広い自動車部品やシステム製品を持つアイシングループは全方位の電動化対応などができるのも強みだ。今後はいかに両社やグループ間の円滑な融合で成果を出せるか。難しいかじ取りが求められるが、次世代の成長に向けた先鞭をつけることが重要となる。(名古屋・山岸渉)

日刊工業新聞2021年1月14日

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