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アイシンがサイバー組織立ち上げ、「CASE」で“つながる部品”の防衛なるか

アイシン精機は、アイシン・エィ・ダブリュとの経営統合会社「アイシン」が発足する2021年度にサイバーセキュリティーの専門組織を立ち上げる。サイバー攻撃に対する製品の安全対策を講じるほか、事故対応にも取り組む。アイシングループは多くの自動車部品のシステム製品を手がける。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)などの進展でリスクが高まる中、セキュリティー体制を強化する。

製品やサービスの安全性向上や事故発生時に対応する「PSIRT(ピーサート)」と呼ばれる組織を整備する。ピーサートは製品の開発設計から外部からのシステム侵入を防ぐなどの安全対策に取り組む。自動車に組み込まれ市場に出た後も、サイバー攻撃で不具合などが発生した際に円滑な対応ができるようにする。

アイシングループは自動変速機やカーナビゲーション、ブレーキ、シャシー関連など多岐にわたる重要部品を手がける。CASEなどで自動車部品がつながる機能を持つシステム化が進展。サイバー攻撃で不具合などの事故が起きるリスクが高まっている。重要部品をサイバー攻撃から守りつつ、的確な対応ができるように体制を整える考えだ。

自動車業界ではホンダなどでサイバー攻撃の被害が相次ぎ、対策の重要性が増し、日本自動車工業会も4月にサイバー攻撃対策を手がける新組織を発足する計画。アイシングループは20年度内に全約200社でサイバーセキュリティーに対応する専門組織「CSIRT(シーサート)」を置く。グループ間で情報共有などを円滑にし攻撃を受けた場合は迅速なシステム停止などで被害の最小化や効率的な復旧につなげる。

日刊工業新聞2021年1月6日

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