世界でここだけ!?三菱UFJ「信託」専門博物館の魅力

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信託に関する内外のさまざまな資料を展示する

日本工業倶楽部(東京・丸の内)の趣ある建物に「信託博物館」が誕生したのは2015年。運営する三菱UFJ信託銀行の設立10周年を記念して開業した。友松義信事務局長は「信託の専門博物館は世界でもここだけだろう」と胸を張る。

信託博物館は三菱UFJ信託銀の所有だが、商品の宣伝めいた展示や営業マンもおらず、「信託のことをいろいろな人に知ってほしい」(友松事務局長)と同行のカラーはない。信託に関連する内外の資料や図書6000点以上を所蔵する資料室を併設し、貸し出しも行う。硬派な判例資料から信託各行の昭和時代のかわいらしい貯金箱コレクションまで取りそろえ、研究者や息抜きに訪れる人まで広く活用できそうだ。

重厚なドアを開けると目に飛び込んでくるのは、英国の児童書で知られるキャラクター「ピーターラビット」の展示だ。信託とピーターラビット。イメージのかけ離れた両者だが、作者のビアトリクス・ポター(1866―1943)は、物語の舞台である英国・湖水地方に所有していた4300エーカーもの土地を、乱開発から守るために英国の自然保護団体「ナショナル・トラスト」に遺贈している。

ポターのおかげで今でもピーターラビットの風景が保たれ、観光収入になり、地域に還元されている。財産を信頼する人に託して運用・管理し、後生に伝えるのが信託。ポターの行いがまさに信託というわけだ。

現在のような銀行など法人による信託商品は、19世紀後半の米国で一般化した。興味深いのは古代エジプトや古代ローマにも信託の発想はあったこと。財産を後見人に託し、死後、子どもたちに渡してほしいと記されたパピルスを紹介している。日本では空海、織田信長、新島襄らが信託に似た試みをしており、それぞれのエピソードが展示されている。

シェイクスピアの遺言(レプリカ)、ジョン・レノンの遺言(同)などもある。気になったら行ってみてはいかがだろう。

シェイクスピアの遺言(手前)レプリカも見ることができる
【メモ】
※新型コロナウイルスのため、当面の間、休館▽入館料=無料▽最寄り駅=JR、東京メトロ丸ノ内線「東京駅」▽住所=東京都千代田区丸の内1の4の6▽電話番号=03・6214・6501

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信託銀行 博物館

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