サーボモーター事業で抜群の安定感、安川電機社長が語る次なる成長への一手

小笠原浩氏インタビュー

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世界首位のACサーボモータ(同社公式動画より)

―市場環境は。

「思ったより悪くない。2020年9月以降良くなっている。中国は好調を維持し、欧米は少しずつ戻っている。日本は11月から上向いている。21年は回復基調だが、どれくらいかは不透明だ」

―中国ではサーボモーターが好調です。

「この流れは一定程度続く。半導体をキーワードにITや第5世代通信(5G)向けが好調なほか、周辺機器のパソコンやタブレット端末、スマートフォン向けも需要が増加している。自動車のIT化という側面もある。今後は、洋上風力発電の発電機向けなど環境関連も増えるだろう」

―半導体市場は21年に過去最高の予測です。生産体制の強化は。

「中国・瀋陽市の第3工場は余地がある。市場の需要量が増えれば新設備を導入するが、ラインを増やすだけだ。数カ月で実現できるため、ニーズが増えてから考えても遅くない」

―21年に新サーボモーターを投入します。

「分解能などの性能と使いやすさを向上する。まずは国内で製造し、日本と中国で展開する。ある一定以上を提供できたら瀋陽工場で生産する」

―データ活用で工場を自動化する構想「アイキューブメカトロニクス」の進捗(しんちょく)は。

「インバーターの工場でもアイキューブメカトロニクスが動いている。安定稼働すれば中国や米国の生産拠点に広げる。モーション分野でも瀋陽工場への展開を検討している」

―20年はデジタル変革(DX)に取り組みました。

「ほぼ予定通り進んだ。四半期決算は1週間でまとめることができた。やりがいのある会社を目指す『デジタル評価』も下期(9月―21年2月期)から動きだしている。21年は販売・管理データや設計・開発データをつなげる。どんな設計で各部門がどう整合性を取るのかや、顧客へのアプローチの進捗データを統一化する」

*取材はオンラインで実施。写真は19年12月に撮影したものを使用

【記者の目/新研究拠点、成長の足がかりに】

サーボモーターが事業をけん引し、ロボットがこれに追従する。インバーターも順調。21年は新サーボモーターの投入や研究開発拠点「安川テクノロジーセンタ(YTC)」の開設など、今後の成長実現に向けた取り組みも加速する。新型コロナウイルス感染症という暗闇を抜け出る絶好の機会になりそうだ。(川口拓洋)

日刊工業新聞2021年1月7日

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