トプコンが農機自動操舵システムを日米で拡販、農水省の支援も追い風
トプコンは日米両国で、情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業で使う農業機械向け自動操舵(そうだ)システムを拡販する。トラクターや田植機、コンバインなどの農機を広い田畑で安定して直進させることができ、作業の省人化を支える。農機メーカー各社も直進アシスト付きのマシンを発売しているが、トプコンのシステムは既存機に後付けが可能。メーカーを問わず、費用も安く済む。農林水産省の省力化機械導入支援の補助金制度も追い風に販売を伸ばす。
トプコンによると、自動操舵システムの付いた農機の国内市場規模は2018年度の1900台から19年度は2410台に拡大し、20年度は3000台強に増える見通し。21年度も農水省の支援制度を背景に、同様の高水準が続くとみている。国内の操舵システム販売はクボタやヤンマーホールディングス、井関農機といった農機大手を通じて行っており、営業を強化する。
新型コロナウイルス感染拡大の不安感から、日米の農家は新規投資を手控えるようになっており、安価で済む後付けシステムに追い風が吹いている。後付けのため、農作業の順番に沿って最初はトラクター、次に田植機、最後にコンバインに付け替えるといった使い方も可能。作業のさまざまなデータと組み合わせて、スマート農業の高度化も狙う。
日刊工業新聞2021年1月5日