大注目の全固体電池シェア争奪戦、リチウムイオン二次電池の限界…今年読まれた電池記事5選
2020年に閲覧数の多かった電池関連記事を5つ紹介します。電解質に可燃性液体を使わず、安全で熱に強いなどの特徴を持つ全固体電池が次世代電池として特に注目を集めました。
いよいよ21年初めに量産へ!村田製作所の全固体電池は何に使われる?
【京都】村田製作所は2020年度下期に量産を始める全固体電池について、補聴器などに採用される見通しを明らかにした。ロボット向けなどの位置制御機器や、工場などで環境データを収集するIoT(モノのインターネット)機器などにも採用される予定。同社はさらに容量が現状比20―30%高いタイプの開発を進めていることも明かした。高容量タイプは長時間利用前提のワイヤレスイヤホン向けで21年の早い段階に量産したい考え。
「村田は滋賀県の工場で20年度内に、月10万個の量産を始める予定」<続きを読む>
トヨタ、村田製、TDK...大注目の全固体電池!早くもシェア争奪戦
自動車をはじめ、さまざまな製品で電動化が進む中、電池の利用範囲が広がっている。それと同時に要求されるのが、温度など利用状況に左右されない安全性の向上だ。そこでここ数年、普及が期待されているのが全固体電池。電子部品メーカーが自社のノウハウを活用し、相次いで参入している。新たな成長の切り札となるか。各社の動きを追った。
「全固体電池の世界市場は35年には2兆6772億円に拡大」<続きを読む>
トヨタに全量供給する電池メーカー、来年末に生産能力5割増へ
プライムアースEVエナジー(PEVE、静岡県湖西市)の北田真治社長は12日、日刊工業新聞社の取材に応じ、2021年末までに車載電池の世界生産能力を320万台分体制にする方針を明らかにした。PEVEは日本に3カ所、中国に1カ所の生産拠点を持つ。日本を280万台分、中国を40万台分とする計画だ。同社はトヨタに全量を供給しており、トヨタ自動車への供給状況を踏まえると21年末に現状比5割増程度になるとみられる。
「PEVEはハイブリッド車(HV)向けに、ニッケル水素電池とリチウムイオン電池を製造」<続きを読む>
高出力な全固体電池の実用化へ!大阪技術研が厚さ10分の1の固体電解質シート
大阪産業技術研究所(ORIST)は、厚みが30マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下と薄膜ながら強度を備えた自立型のリチウムイオン電池用固体電解質シートを開発した。量産技術もめどをつけた。従来の固体電解質に比べ厚みが10分の1以下で、電気抵抗が小さいのが特徴。電極とともに積み重ねられ、大容量、高出力の全固体電池の実用化へ応用が期待される。
「全固体電池、大容量化の課題は」<続きを読む>
“ポスト・リチウムイオン電池”の足音、「エネルギー密度」競う
リチウムイオン(Li―ion)二次電池の後継電池の開発が活発だ。2019年のノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が、Li―ion二次電池の基本概念を確立して30年余が過ぎた。二次電池は作動電圧やエネルギー密度が高いほど、小型でも大量の電力を蓄えて放出できる。これらの電池性能や汎用性に優れるLi―ion二次電池は、携帯端末から人工衛星まで、さまざまな用途で用いられるようになった。
「Li―ion二次電池の性能の向上余地にも限界が」<続きを読む>