全固体電池の充放電効率95%に、静岡大と東工大が有機分子結晶を開発

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合成した分子結晶

静岡大学理学部の守谷誠講師、東京工業大学物質理工学院応用化学系の一杉太郎教授らは、全固体電池の固体電解質に応用が期待できる材料として、高いリチウムイオン伝導性を示し、新しいイオン伝導メカニズムを有する有機分子結晶を開発した。イオン伝導度は室温では既存の分子結晶の最高値と同程度だが、マイナス20度Cでは約100倍の伝導度になる。同材料を用いた全固体電池が高い充放電効率で動作することを確認した。

リチウムアミドとスクシノニトリルを構成要素として、非常に高いリチウムイオン伝導性を示す分子結晶電解質を作製した。リチウムアミドとスクシノニトリルをモル比1対2で混合し、加熱した後、室温に冷却すると分子結晶電解質を単結晶で得られる。

これを加熱して正極の上に融液を滴下し、滴下した上に負極を乗せ、冷まして固めることで全固体電池を作製した。100回の充放電試験を行ったところ、充放電効率は95%程度と高く、安定的に動作することも確認した。

今後は分子結晶電解質の特性を詳しく調べていく。現在、イオン伝導率が高いセラミックスを使用したものと、同程度のイオン伝導性に高めることも目指す。

日刊工業新聞2020年11月30日

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