60年の時を経ても稼働するリレー式計算機「FACOM138A」、富士通が繋ぐ技術革新

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製造から60年を経た現在でも稼働し続けるリレー式計算機「FACOM138A」

1935年の設立以来、技術革新を追求してきた富士通。川崎工場(川崎市中原区)内の「富士通テクノロジーホール」には、その時代を代表する自社製品から最新の情報通信技術(ICT)までを網羅した、さまざまな展示物が並ぶ。

同館は三つのエリアで構成する。目玉は「ヒストリー・ゾーン」の「リレー式計算機」だ。展示されている「FACOM138A」は、1960年に製造された世界最古級のコンピューター。リレー式電話交換機で培った技術を用いて開発され、製品開発の研究や設計の数値計算に活用されていた。

2006年に同計算機を“還暦”まで稼働させることを目標に技術継承プロジェクトが発足。以来、技術継承と定期保守の実施で、20年に無事に還暦を迎えた。60年の時を経て、実際に稼働する様子は圧巻だ。

次の「プレゼンテーション・ゾーン」には性能ランキングで11年に2期連続で1位を獲得したスーパーコンピューター「京(けい)」が設置されている。11月には京の後継機として理化学研究所と共同開発した「富岳」が計算速度を競う世界ランキングで2期連続の首位を獲得するなど注目を集めた。

世界をリードする性能で注目を集めたスーパーコンピューター「京」

自社の最新技術を紹介する「ナウ・アンド・フューチャー・ゾーン」では人工知能(AI)やコロナ禍で注目を集めるキャッシュレス決済などのサービスを動画や実物を交えて紹介。労働災害防止の観点から、仮想現実(VR)で高所の落下事故などを疑似体験できるコーナーもある。

同館には商談で来社した人、修学旅行や社会科見学に訪れた中学生・高校生ら年間約5500人が来館する。2―3月は新型コロナウイルスの影響で見学予約のキャンセルが相次いだ。現在は条件付きで見学を受け入れている。高瀬哲也館長は「訪問を通じて事業や企業の社会的責任(CSR)活動をより深く知ってもらいたい。学生は将来、富士通の採用試験を受けるきっかけになれば」と話す。

※新型コロナ感染症対策のため、入場は同行者含め7人に制限。

【メモ】▽開館時間=9時半―17時▽休館日=土・日曜、祝日、年末年始▽入館料=無料▽最寄り駅=JR南武線「武蔵中原駅」▽住所=川崎市中原区上小田中4の1の1▽電話番号=044・777・1111

日刊工業新聞2020年12月25日

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