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来場者が増え続ける「JALスカイミュージアム」の恩返し

“空の仕事”疑似体験、リニューアルの計画も
来場者が増え続ける「JALスカイミュージアム」の恩返し

間近で機体を見学できるのが目玉の一つ

 企業が運営する「産業博物館」。単なるPRだけでなく、誰でも楽しく学べる場所として各社は工夫をこらしている。日本航空(JAL)の「JAL工場見学~スカイミュージアム~」は、史料や仕事内容などを紹介している。展示エリアに、飛行機の仕組みを学ぶ「航空教室」と実際の機体が見られる「格納庫見学」を加えた一つのコースとして楽しむことができる。

 「2010年の経営破綻以降、たくさんの人々に支えられて今日がある。その恩返しをしたい」(ブランドエンゲージメント推進部の渡辺泰彦統括マネージャー)という思いから13年に開始した。

 展示エリアにはJALグループの歴代航空機の50分の1サイズのモデルや歴代制服などが展示されている。そのほか、運航乗務員や客室乗務員、整備士など各職種のブースを設置。実際に業務が疑似体験できるコンテンツなども用意する。

 一番の目玉は「扉を開けた瞬間、『わあ』と感嘆の声が上がる」(渡辺統括マネージャー)格納庫見学。格納庫や機体整備についての説明が聞ける。何より格納庫のフロアで整備中の航空機が間近で見られることが大きな魅力だ。機体を背にして記念撮影をしたり、すぐ近くにある羽田空港の滑走路に離着陸する航空機を見たりできる。

 16年度に12万人、17年度に13万人、18年度に14万人と年々、来場者は増加。中国や台湾といった海外からの見学者も増えている。

 50人在籍するガイドは、同社のOBとOGで構成される。自身の体験を元に説明をするので、ガイドごとにその内容は異なる。だからか、リピーターも多いという。

 開始から6年が経過しており、展示内容などのリニューアルも検討中だ。これからも同施設を通じて「航空産業を広くアピールしていきたい」(同)と志を高く運営を続けていく。
【ミュージアムメモ】
▽開催時間=10時、11時半、13時、14時半、16時の入れ替え制(要予約)
▽入場料=無料(小学生未満の入場は安全上の理由から保護者同伴でも不可)
▽最寄り駅=東京モノレール「新整備場」駅下車、徒歩2分
▽住所=東京都大田区羽田空港3の5の1
OBやOGによるガイドも人気
日刊工業新聞2019年5月24日

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