小池都知事インタビュー。「脱ガソリン化」どうやって実現していきますか?
水素活用、五輪でアピール
東京都の小池百合子知事は22日、インタビューに応じ、脱ガソリン化について電気自動車(EV)など「ZEV(ゼロエミッション車)」への税優遇など普及支援を加速する考えを示した。新型コロナウイルス感染症対策は、2021年1月11日までモニタリング指標を見ながら対策に注力すると強調した。
―30年までに都内で販売する全ての新車自動車の「脱ガソリン化」を打ち出しました。実現の方策は。「ZEVの購入費や充電設備の導入費の補助を都として実施しており、21年度予算の知事査定の中でしっかり判断する。ZEVには都税の優遇措置もあるが、国の制度と併せて加速していきたい。自動車メーカーに対しては、さらなる技術開発や普及の協力をお願いしていく。特に水素については力を入れ、東京五輪・パラリンピックで水素活用を世界にアピールする」
―新型コロナの感染拡大が進んでいます。「現在の厳しい状況を皆で乗り越えなければならない。企業では、職場は感染対策はしっかりしていても、(さらに)食堂や控え室、ロッカールームなどの対策をお願いしたい。また、これを機にテレワークをもう一度活用してほしい」
―21年1月11日までの飲食店・カラオケ店への時短営業要請は、さらなる延長は考えていますか。20時までなど強化する考えは。「(判断は)モニタリング会議をしており、その中で方向性は出てくる。ただ、そうならないよう協力をお願いしたい。時間を前倒しすると、協力店舗が出てくるかどうか。そうした意味の効果を考えなくてはならない」
【記者の目/まずコロナ感染者拡大防止を】現在の最大の課題は新型コロナ感染者と重症者の増加を抑え、医療崩壊を防ぐこと。対策は感染拡大時に強い対策を取る、沈静化時に経済活動を徐々に再開する「ハンマー・アンド・ダンス」を繰り返す。この年末年始を乗り越えなければ、これを繰り返せなくなる。(編集委員・米今真一郎)
日刊工業新聞2020年12月23日