「5G」「IoT」「AI」で活況だった半導体製造装置市場、来年も続く?

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日立ハイテクの半導体製造装置工場

2020年の半導体製造装置市場は活況に沸いた。第5世代通信(5G)やIoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)などの普及に伴い、半導体メーカーの投資意欲は旺盛だ。

米SEMIによると、2020年の世界半導体製造装置販売額は前年比16%増の689憶ドル(約7兆2000億円)で過去最高となる見通し。ファウンドリー(半導体受託製造)・ロジックやNAND型フラッシュメモリーが高水準で伸びているという。

日本半導体製造装置協会(SEAJ)がまとめた日本製半導体製造装置の販売高でも、直近の20年10月まで11カ月連続で前年実績を上回っている。

一方、米中貿易摩擦の行方に翻弄(ほんろう)された1年でもあった。米商務省は9月、中国ファウンドリー大手のSMIC(中芯国際集成電路製造)に特定製品を輸出する場合は、同省の事前許可を得るようにした。今後の規制強化次第では「影響は大きい」(半導体製造装置メーカー幹部)との声がある。

ただ、半導体の総需要が減らない限りは装置の需要も減らない。むしろ、SMICなど中国企業への輸出規制によって米中のデカップリング(分離)が進めば、中国と同国以外の地域のそれぞれで設備投資が活発化する可能性もある。

米国防総省は3日、中国人民解放軍と関係が深い企業としてSMICを指定すると発表。米国企業は同社との取引を控えるよう求められる。これを受け、和田木哲哉野村証券リサーチアナリストはリポートで「SMICの顧客は事業リスクを低減させるため、非中国籍企業を中心に、他のファウンドリーへの代替発注を加速させている。(日本の装置メーカー複数社の)売り上げに追い風となるだろう」と指摘する。

米SEMIは、世界半導体製造装置販売額が21年に719億ドル(約7兆5000億円)、22年に761億ドル(約7兆9000億円)になると予測する。装置市場は米中対立に翻弄されながらも、活況が続きそうだ。


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日刊工業新聞2020年12月15日

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