総投資額70億円! 日本電産シンポが高精度減速機の生産能力増強
日本電産シンポ(京都府長岡京市、西本達也社長、075・958・3777)は、国内外で高精度な減速機の生産能力を増強する。今後1―2年間で、ロボット用精密減速機の生産能力は現状比約2倍に、半導体製造装置や包装機械はじめ、需要が急増する産業機器向け遊星減速機は同約1・3倍に増やす。総投資額は70億円規模を想定する。
同社はロボット用や遊星タイプなど、高精度減速機が得意。増強は日本と中国、フィリピンの各工場で行う。
ロボット用は本社工場と上田工場(長野県上田市)、フィリピン工場で手がける。上田は直近1―2年で数十億円投じて月産2万台としたが、さらに同3万台へ増強する。加工と組み立てに加え、熱処理などの周辺工程を取り込み一気通貫で効率化する。フィリピンのロボット用精密減速機の生産設備は増強済みで、1年以内に人員を現状比約2倍の300人体制にするなどで需要対応する。
遊星減速機の生産は中国工場が中心でフル稼働。このため同工場の増強とともに、フィリピン工場でも量産体制を整える。中国工場は現状の月産能力11万台から12万5000台に拡充。フィリピンも同3万台体制とする。
同社の減速機事業は以前からの日本や中国向けに加え、近年は欧米向け強化で売上高を拡大している。
日刊工業新聞2020年12月8日