元日の営業はどうなる?小売り各社の対応分かれる
小売り各社は新型コロナウイルスの感染拡大で、春先から店舗営業に苦心してきたが、2021年の元日営業では対応が分かれそうだ。巣ごもり需要を支えてきたスーパーマーケットは、従業員らの慰労を目的に休業する。20年元日に休業実験したコンビニエンスストアは、近隣住民らの利便性を重視し営業を続ける。百貨店は例年通り休業する店が多い。
33年ぶり
スーパーのサミットは、モールなどに入店している7店舗を除き113店舗が1月1日から3日まで休業する。緊急事態宣言中から働いてきた社員、その家族、取引先にゆっくり休んでもらうためで、三が日の休業は1988年以来33年ぶりとなる。
ライフコーポレーションは1月1日と2日、全店休業する。20年は2日から営業した店舗もあったが、働き方改革の一環で21年は全店に拡大する。
イトーヨーカドーは一部の店舗で元日に休業するが、残りの店舗は営業する。
イオンは仙台市内の5店舗が条例に基づき元日休業するが、残る店舗は営業する。イオンモールも営業する。
一方、コンビニのセブン―イレブンは、20年に都内の直営50店舗で元日休業したが、21年は通常営業する。ローソンも20年はフランチャイズチェーン(FC)102店舗で元日休業の実験を行った。「21年元日は原則営業するが、個店の事情に応じて休業を検討する」(ローソン)。
試行錯誤
ファミリーマートは休暇を取得したいFCオーナーの代わりに本部社員が業務を代行する「店長ヘルプ制度」を21年も運用する。9時から17時45分までの派遣時間を、21年は21時までに拡大する。20年(19年12月31日から20年1月3日まで)は、322店が利用した。
三越伊勢丹や高島屋、大丸松坂屋百貨店、松屋、東武百貨店は、例年通り全店で元日に休業する。そごう・西武は例年通り、元日から営業する。「福袋は前倒しして年末から販売しており、20年よりも来店客数は少なくなるのではないか」(そごう・西武)とみており、「コロナ対策をして営業する」(同)。
スーパーや百貨店では年末のセールを前倒しするなど、早い段階からお得商品を購入できるようにしており、各社とも試行錯誤の取り組みが続く。