兼松がデータ取引ビジネスを本格展開、仏企業と連携しプラットフォーム構築へ

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兼松は新規事業のデータ取引ビジネスを本格展開する。仏企業などと連携し、さまざまな分野のデータが流通するプラットフォームを構築する。製造業や小売業、農水産業などで得られる大量のデータを加工し製品として売買できる市場づくりを目指す。データを活用した複数の事業も試験的に進めており、新たな収益の柱に育てる狙いだ。(森下晃行)

仏企業などと連携

産業界でビッグデータ(大量データ)の活用が求められる中、兼松は企業が必要なデータを売買できるデータ流通プラットフォームの構築に乗り出す。さらに、データを活用した新規事業の創出にも注力する。家畜の生育状況に影響する環境データを分析し、最適な状態に育てる事業などを試験的に展開する。

同社は2019年に仏ダウエックスや日本データ取引所(東京都渋谷区)と提携し、製造業や小売りなど多分野のデータを売買する電子商取引(EC)プラットフォームを構築した。現在プラットフォームを公開し、参加企業を募集中。

企業はプラットフォームに参画し、データを技術開発やマーケティングに活用できる。兼松はデータを提供する企業と購入する企業を引き合わせる。

プラットフォーム構築に先駆け、複数の企業と提携しデータを活用した事業創出にも取り組む。同社は半導体や電子部品、車両部品、食料品などの幅広い事業を展開する。世界中の販売網やネットワークを活用しつつ、既存事業の延長線上も含めた新規事業の創出を狙う。

富士キメラ総研(東京都中央区)によると、データ取引ビジネスを含むデジタル変革(DX)の国内市場規模は19年度時点で約8000億円。30年度には約3兆円まで成長する見通し。交通・運輸や流通分野が特に伸びると予測されている。

課題はデータの質や精度の担保だ。収集したデータを機械学習に使うには、不要な情報の除去や補正などの処理が必要。兼松は質や精度を高める仕組みをつくる。

個人情報保護に関わる規制への対応も必要になる。政府は市場の発展を支援するため、データ流通推進協議会を設立し、安全性の確保や取引制度の整備を進める。民間事業者にも認定制度の設立などを求めており、セキュリティーやガバナンス体制の構築が事業展開のカギになる。

日刊工業新聞2020年11月11日

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